技術情報
適正ブラシ作業条件
効果的ブラシ作業を行うため下記8点の条件設定が必要となります。
毛材
処理条件、処理目的に合わせた毛材の設定が必要です。
- 金属系ワイヤー線 →バリ取り、ビート除去、塗装剥離、表面仕上げ
- 砥粒入りナイロン毛材 →バリ取り、塗装剥離、表面仕上げ、塗装前の面粗し
- ナイロン繊維 →微細バリ取り、洗浄、クリーニング
- 動物、植物繊維 →洗浄、艶出し
毛丈・線径(弾性力)
- 毛丈の長いブラシは弾力性があり、凹凸面に良くなじみます。
- 毛丈の短いブラシは毛腰が強いため、作業性が高く頑固なバリも容易に除去できます。
- 線径の太さと毛丈の両面を考慮し選定します。
ブラシ密度
- 密度が高いと毛腰が強くなり研削力は向上します。
- 製品の搬送、洗浄等の用途には、密度を粗くし毛腰が柔らかくなるように選定します。
切り込み量(ブラッシング圧力)
- 毛材先端で作業することが最も効果的です。毛先が1mm~2mm切り込む圧力でブラッシング作業を行ってください。
- 過大な切り込み量(圧力)で作業すると最適な硬化が得られないと共に毛材の摩耗、折損が著しく進みブラシ寿命が短くなります。
ブラシ回転数
- 取り扱い説明書に記載されている最高回転数内でのブラッシングが最も効果的でブラシ寿命も長く維持できます。
処理方法
- 湿式の場合は粉塵の飛散は防止できますが、クーラントが必要となります。
- 乾式の場合には、後処理が容易な点や機械装置が安価で済むメリットがあります。
ブラシ構造
- ディスク式
- 多数の穴の空いた植毛板に毛材を折り曲げて植毛する方式です。
- ブラシ密度が任意に設定でき且つ折損・抜毛が少なく長寿命です。重量が重くなるデメリットがあります。
- チャンネル式
- 芯線を中心に毛材を折り曲げてC型金具で固定する方式です。
- ブラシ密度がディスク方式と比較し粗くなりますが、軽量で安価なメリットがあります。
- 毛材が抜け始めると抜毛が急激にすすみます。
- リング式(UR・ハトメタイプ)
- 線材をハトメリングと固定リングでロックする方式です。
- ブラシ密度が任意に設定できます。軽量で安価なメリットがあります。
その他
モーター選定の考え方
- ブラシ外径Φ300mm × 厚み25mmの場合のモーター容量は0.75kwが基本となります。
- 但し毛材、毛丈、密度によって負荷トルクが変位しますので実質起動トルクを測定しモーター容量を選定した方が正確な数値が把握できます。
- トルクより
- Tr=D/2×F (kg・m)
P (Kw) =Tr×n/974
- 仕事量より
- P=Q/t=FxπD×rps/1 (kgm/s)=q/102
1Kw=102kgm/s
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